書名 | 東北の地獄絵─死と再生 | |
シリーズ名 | 三弥井民俗選書 | |
著者 | 錦仁 | |
本体価格 | 2800円 | |
ISBN4-8382- | 9059-4 | |
発行年月 | 平成15年7月 | |
判形・製本 | 四六判・上製 | |
在庫情報 | 有 | |
かつて人々に生と死の想念を生んだ『地獄極楽図』が、生活の中でどのように生きていたのか、その役割と機能について各地の絵を調査し多数の写真・新出資料とともに考察する。 | ||
T 秋田の「地獄極楽図」 第一章 秋田の「地獄極楽図」を概観する 地獄絵遠足/「地獄極楽図」を絵解きするサーカスがあった/秋田の「地獄極楽図」を調査する/公開日・名称・図柄地域ごとの様式と絵解きの日/「地獄極楽図」に「阿弥陀来迎図」を付加する/「熊野観心十界曼陀羅」/生─死─再生の構造と左回りの宗教絵画 第二章 「仏説観薬王薬上二菩薩経」を絵画化した「地獄極楽図」その1─秋田市天徳寺蔵『往生曼陀羅』と六人の高僧 「地獄極楽図」を見つめる人/塗りつぶされた画中文/六人の僧侶が描かれている/金光上人/太円禅師/愚白上人/満米上人/大徹禅師/大運和尚/テーマと制作年次/経典を絵画化する工夫1─十波羅蜜/経典を絵画化する工夫2─「我」から「我我」へ/「地獄図」の場面構成/「往生極楽図」の場面構成/経典を絵画に変える/付録─〈翻刻〉天徳寺蔵『往生曼陀羅』画中文 第三章 「仏説観薬王薬上二菩薩経」を絵画化した「地獄極楽図」その2─秋田市源正寺蔵『地獄極楽図』と玄翁・大徹禅師 同じ図柄の絵が三種類/天徳寺本との比較/源正寺本の特色/制作された時も場も違う/玄翁の説話/大徹にも殺生石説話がある/画中文が異なる/「我」と「我我」のどちらが正しいか/まとめ─天徳寺本と源正寺本/付録─〈翻刻〉源正寺蔵『地獄極楽図』画中文 U 地獄から蘇生する人 第一章 慈心房尊恵のよみがえり その1─山形県南陽市龍雲院蔵『冥途蘇生記』の発見 新出の『冥途蘇生記』/清澄寺本『冥途蘇生記』とその構成/龍雲院に譲渡された経緯/『冥途蘇生記』と『釈迦十六善神図』は不可分の関係/『釈迦十六善神図』の制作年代と形態/清涼院の成立/『冥途蘇生記』はいつ譲渡されたか/龍雲院本の書誌/「補遺蘇生記」の問題点/龍雲院本の性格─清澄寺本と比較して/温泉寺本は清澄寺本を改編した/改編は温泉寺側の事情に合わせて/『釈迦十六善神図』とセットなのはなぜか/まとめ─別種の「冥途蘇生記」が存在した 第二章 慈心房尊恵のよみがえり その2─山形県南陽市龍雲院蔵『冥途蘇生記』の成立と有馬の温泉寺 龍雲院蔵『冥途蘇生記』の発見/龍雲院本(温泉寺本)の書誌と特色/清澄寺本との相違と成立時期/清澄寺と温泉寺/成立時期をさらに追及する/どちらが延慶本『平家物語』に近いか/別種の「冥途蘇生記」が存在した/付録─〈翻刻〉龍雲院蔵『冥途蘇生記』(温泉寺本) 第三章 吉蔵のよみがえり─山形県鶴岡市常念寺蔵『念仏吉蔵蘇生物語絵巻』 『念仏吉蔵蘇生物語絵巻』/円潭の生涯、画家への歩み/絵巻は三本ある 1常念寺本 2光丘文庫本 3正覚寺本/常念寺の絵巻を考察する/梗概(口語訳)/すべて実在の人物たち/円譚は手本を見て描いた/画中文にも手本があった/吉蔵の冥府語りから円譚の絵巻へ V 近・現代作家の「地獄極楽図」体験 第一章 斎藤茂吉と太宰治─山形県上山市宝泉寺蔵『地獄極楽図』 青森県金木町雲祥院蔵『地獄極楽図』 茂吉の「地獄極楽図」を詠んだ歌/東北地方の「地獄極楽図」を概観して/茂吉の歌と宝泉寺蔵『地獄極楽図』との比較/地獄から極楽へ/太宰治の『地獄極楽図』体験/太宰と茂吉の共通点・相違点/太宰の見た『地獄極楽図』の構造/太宰の「地獄」意識/死の恐怖、生の燃焼 第二章 太宰における上昇のと下降のたけ─『思ひ出』から『津軽』へ たけは母なる存在か/たけは運命を予言した/実際の絵と合致する/「地獄」の変化/たけは聖地の構造をはらむ 第三章 高井有一における秋田─死の凝視から生の肯定へ/作家への出発/なぜ秋田を書くのか/小説『北の河』の虚構/風景描写の意味/『北の河』以後 あとがき |
検索ページへ
五十音書名一覧へ
(C)Copyright 2002 MIYAISHOTEN CO.,LTD. All rights reserved.