書名 柳田国男の見た菅江真澄
シリーズ名 三弥井民俗選書
著者 石井正己
本体価格 2800円
ISBN978-4-8382- 9079-6
発行年月 平成22年9月
判形・製本 四六判・上製
在庫情報

本書は、柳田国男研究の最前線を走る石井正己による、柳田国男の菅江真澄研究について論じたもの。菅江真澄は江戸後期、東北、北海道を旅しながら各地の生活文化を旅日記等に書き記した紀行家で、柳田国男により「日本民俗学の開祖」と讃えられた人物。『遠野物語』『山島民譚集』『雪国の春』『菅江真澄』等における柳田国男の菅江真澄に関係する記事を丹念に読み解き、そこから菅江真澄の実像に迫った柳田、真澄の著作の復刻本や活字本を出版、紹介した柳田など、日本民俗学の誕生前夜における柳田国男を知るための一冊。

はじめに─菅江真澄から日本民俗学へ
柳田国男と東北─『遠野物語』から『菅江真澄』へ
一 課題としての「北の文化」/二 『遠野物語』に見る空間認識/三 『遠野物語』の「アイヌ」と「外国」/四 菅江真澄を検証する『雪国の春』/五 「雪国の春」「真澄遊覧記を読む」「豆手帖から」/六 『菅江真澄』を残した執着と未練
真澄と柳田国男(一)─『雪国の春』から見えてくるもの
一 柳田国男の考えた東北文化論/二 『雪国の春』の成立とその内容/三 岡茂雄著『本屋風情』に記された実態/四 「真澄遊覧記を読む」の追加の意義/五 「をがさべり(男鹿風景談)」の認識/六 最近の研究や観光につなげる
真澄と柳田国男(二)─『真澄遊覧記』刊行の実験
「をがさべり(男鹿風景談)」の初出/二 『真澄遊覧記』刊行の時代/三 「秋田県と菅江真澄」の講演とセット刊行/四 『秋田叢書』と『秋田叢書別集』の関係/五 覆刻本と校訂本の作る世界/六 「民間伝承論大意」の講演へ
菅江真澄の価値─柳田国男と信州人の情熱
一 秋田で行われた菅江真澄百年祭/二 「真澄遊覧記信濃の部」の三冊/三 「真澄遊覧記奥羽の部」の『奥の手風俗』/四 「民間伝承論大意」と『菴の春秋』の前後/五 『真澄遊覧記』と『秋田叢書別集 菅江真澄集』の関係/六 胡桃沢勘内の「本洗馬の郷──真澄翁を留めた人々─」/七 「民間伝承論大意」と「真澄翁の跡を訪ねて」
柳田国男の菅江真澄研究
『柳田国男全集』の編集と秋田調査/二 菅江真澄研究の四期と特色/三 「菅江真澄百年祭」の講演筆記/四 百年祭の講演から『真澄遊覧記』の刊行へ/五 『菅江真澄』から戦後の菅江真澄研究へ
菅江真澄の旅─肉筆絵が語る歴史
一 常冠りの遊歴文人・菅江真澄/二 御伽草子絵からの出発/三 持ち歩いたスケッチ集─『粉本稿』『凡国異器』/四 有珠岳へ登る─『えぞのてぶり』/五 縄文土器を分類する─『外浜奇勝』から『新古祝甕品類之図』へ/六 臼を比較する─『百臼之図』/七 他人の絵を入れる─『ひなのあそび』から『月の出羽路仙北郡』へ/八 真澄の絵を歩く─「真澄による新秋田紀行」シリーズ
参考文献/初出一覧
あとがき─菅江真澄という「広場」へ



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