書名 女霊の江戸怪談史
サブタイト 大衆化する幽霊像
著者

堤 邦彦

本体価格 8900円
ISBN978-4-8382- 3421-9
発行年月 2024年10月11日
判形・製本 A5判・上製・556ページ
在庫情報

怪談流行の絶頂期の近世の状況から、日本人の怪異の関わり方を明らかにし、江戸怪談の個々の事情に目を配りながら、日本における幽霊像の生成を再検討する。日本怪談の長大な流れを解析するためのイントロダクションとなる試み。

【目次】
序―幽霊とは何か
第一章 仏教と怪談
 T僧坊の幽霊像―鈴木正三・夜話の世界
 U執念のかたち―『因果物語』の念と蛇
 V心と炎―『奇異雑談集』に始まるもの
 W幽霊の遺念―僧侶必携マニュアル
 X唱導から巷説へ―根岸鎮衛『耳嚢』より
第二章 因果・因縁を語ること
 T因果はめぐる小車の
 U死者の手首―廻国・懺悔の怪異空間
第三章 怪異と教訓―儒仏思想は何を残したか
 T蛇となり鬼と化す女の罪科と自省
 U女訓と怪異
第四章 女霊の時代
 T先妻はなぜ祟るのか
 U後妻打ち怪談の系譜
 V近世高僧伝への展開―妬婦の屍にまたがる男
 W「人ごころ」の深淵―西鶴と浮世の怪異
第五章 演じられた怪異―女霊の姿かたち
 T古浄瑠璃の女人蛇体
 U元禄歌舞伎と怨霊事
第六章 侍のイエに祟る女霊たち
 T徳川小王権の闇―築山御前伝説
 U地方奇談にみる「祟る奥方」
 V皿屋敷と名家没落譚
 W貞女か悪女か―四谷怪談を歩く
第七章 生活の中の異界―性・婚・嫉
 T鬼女と蛇婦の説話史をたどる
 U女房の角―執念のシンボリズム
 V文芸化される鬼女―お伽草子「磯崎」から「吉備津の釜」まで
 W京都・歯形地蔵縁起─街角の噂
第八章 地方口碑と江戸怪談
 T清姫の蛇性─ 土地の伝承から読む道成寺縁起
 U高僧伝と風土─累が淵の原風景
 V産女のお弔い
終章 近代文学への通路
 泉鏡花と狂女、妖婦─『妖怪年代記』『龍潭譚』の原像
エピローグ
索引



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