書名 昔話「力太郎」ユーラシアを翔ける
サブタイト 比較民話学の試み
著者

斧原孝守

本体価格 2900円
ISBN978-4-8382- 3420-2
発行年月 2024年9月27日
判形・製本 46判・上製・242ページ
在庫情報

小学校の国語教科書に採用され多くの人々が親しんだ『ちからたろう』。この本の原型ともいわれる昔話「力太郎」は日本では非常に珍しいお話として知られる。しかしこの異常な誕生児が不思議な仲間をお供に、化物退治をするという珍しい話は広大なユーラシアへの広がりをみせる。日本の「力太郎」を中国大陸の伝承と比較し、ヨーロッパに伝わる話まで視野に入れ、ユーラシア大陸をおおう巨大な伝承の誕生と伝播を解明する試みの書。

【目次】
序章 「ちからたろう」の謎
第一章「力太郎」、東北から立ち上がる
 1.「力太郎」の伝承
 2.「雉の子太郎」
 3.「桃太郎」のような「力太郎」
 4.「力太郎」の形式
第二章 「力太郎」は「桃太郎」の原型か
 1.「力太郎」と「六人組の世界旅行」
 2.「桃太郎異譚」と「太郎次郎三郎」
 3.「山行き型・桃太郎」とは何か
 4.変わり種の「桃太郎」と「力太郎」
第三章 中国大陸に「力太郎」を求めて
 1.比較民話学と中国少数民族
 2.中国西北少数民族の類話
 3.中国西南少数民族の類話
 4.チベットの『屍鬼物語』
第四章 「力太郎」の比較民話学
 1.異常誕生モチーフ
 2.父親の殺意
 3.不思議な仲間たち
 4.化け物退治と役に立たない仲間
 5.「力太郎」とは何か
第五章 沖縄の「力太郎」
 1.宮古群島の伝承
 2.祭祀を要求する神
 3.「山神講由来」と「力太郎」
 4.中国の類話との比較
第六章 ユーラシアを覆う巨大伝承
 1.「三人のさらわれた姫」
 2.ヨーロッパの「力太郎」
 3.中央ユーラシアの「力太郎」
 4.ユーラシア辺境に残る「力太郎」
終章 古代日本の「力太郎」
 1.甲賀三郎の物語
 2.神武天皇東征伝説
 3.「力太郎」の系譜
あとがき
索引



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