本書は、ロシヤの神話と精霊信仰、農民の一年（ロシヤの年中行事）等を広く紹介した本。また、これまで体系的に紹介されることのなかったロシヤ口承文芸におけるジャンルの分類、及びその有効性と限界をも考察。時空を超えて精霊たちを創造したロシヤ民族の自然観・世界観・精神文化を歴史、民族、文学、芸術、建築、考古学などの広いジャンルから解明する。ロシヤの神話、精霊信仰、年中行事、口承文芸を探求する基本図書。

第一章　ロシヤ口承文芸のジャンル分類／第二章　森の精霊レーシイ／第三章　水の精霊ヴォヂャノイ／第四章　命を紡ぐ露の精ルサールカ／第五章　ペチカを守る先祖霊ドモヴォイ／第六章　この世を飛び交う小悪魔チョルト／第七章　農民の一年――冬至から冬至まで／結び　ロードとロジャニッツィ／ウプィリーとベレギーニ／ルサールカとドモヴォイ／男の精と女の精／伝統的刺繍模様／生きよ！／ひっくり返しの世界／冬至と夏至／二つのスヴャトキ／二重信仰／精霊たちの誕生／あとがき／参考文献／図版出展一覧／初出一覧