書名 | 御伽草子と昔話 日本の継子話の深層 |
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シリーズ名 | ||
著者 | 黄地百合子 | |
本体価格 | 3800円 | |
ISBN4-8382- | 3140-7 | |
発行年月 | 平成17年10月 | |
判形・製本 | A5判・並製 | |
在庫情報 | 有り | |
本書は継子いじめをテーマにしたお伽草子「鉢かづき」「はな世の姫」「うはかわ」を、室町時代から現代へと時空の壁を超えて、同じく継子いじめをテーマとした「姥皮」「米福粟福」「鉢かづき」といった日本昔話の伝承世界から逆照射して、お伽草子の作品世界を論じた先駆的論集。日本の継子話の書承、口承といった幅広い伝承世界を鳥瞰しながら、継子話の深層を探る一冊。 | ||
【目次】 はじめに ◆日本の継子話の深層 中世における継子譚の一考察―『はな世の姫』の成立― はじめに/『はな世の姫』の梗概/三系統の類型的要素/類型からの逸脱/「姥皮」型の昔話/姫と山姥との出会い―「姥皮」と「米福粟福」の融合/民間説話と物語草子 「姥皮」型説話と室町時代物語 はじめに/『鉢かづき』『はな世の姫』『うはかわ』のストーリー/「姥皮」型の昔話/話の山〈男の嫁探し〉と物語草子/『うはかわ』『鉢かづき』と民間説話 姥皮型継子話の位相 はじめに/昔話「姥皮」の分布/昔話「姥皮」の基本的構成/「姥皮」の発端部分/「姥皮」展開部分・その一―娘と姥(山姥)/「姥皮」展開部分・その二―男の嫁さがし―/「姥皮」展開部分・その三―難題型の話―/「姥皮」のテーマ/さいごに 継子譚に潜むもの―昔話「米埋糠埋」と「米福粟福」をめぐって― 「継子譚の魅力」という謎/昔話「米埋糠埋」/昔話「米福粟福」/継子譚と通過儀礼/「米福粟福」における継子の成長/継母と継子の話であることの意味/継子譚を継承するもの ◆昔話の伝承風景 「大歳の火」の伝承 昔話「大歳の火」/「大歳の火」の分布/火は新年を迎えるために消された/製鉄にかかわる者たちの伝承/〈家の女性〉の世代交替 昔話の一モチーフ〈暗闇の中の灯〉の意味するもの―民間文芸の文芸性をめぐって― 「民間文芸」という語/〈暗闇の中の灯〉が語られる昔話/挿話と挿話をより強く関連づける機能/暗闇の中の一軒家の住人/生活意識が支えた表現 記憶としての昔話 私の昔話原体験/「屁こき婆」の三回の語り/昔話の記憶は言葉の記憶ではない/「記憶」と「イメージ」/「記憶」に刻まれる昔話のイメージ/「声」の記憶、そして蘇るイメージ/補注・松本智恵子の昔話 ◆近江の伝説考 近江湖東の竜蛇伝説 愛知川の竜蛇伝説/竜蛇は滝をめざして川を昇る/大瀧神社は愛知川の守護神/滝祭りは竜蛇を迎えて始まる/川の神への畏敬の念が伝説を支えた 甲賀三郎―近江甲賀地方の伝承をめぐって― はじめに/甲賀地方の位置と歴史/「諏訪の本地」としての甲賀三郎譚/大岡寺の甲賀三郎譚/甲南町の甲賀三郎譚/さいごに 初出一覧 おわりに |
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