書名 早歌の心情と表現
 -中世を開拓する歌謡-
シリーズ名
著者 外村南都子
本体価格 15000円
ISBN4-8382- 3125-3
発行年月 平成17年6月
判形・製本 A5判・上製
在庫情報

鎌倉武士を中心に東国文化圏で歌われた早歌。『源氏物語』『平家物語』和歌・連歌など、古典文学との関わりを解き、曲を中心に早歌の変遷をたどり和漢融合の物尽くしが後の能や浄瑠璃などの芸能や文学にいかなる影響を与えたかを考察。日本文学史における早歌の位置づけと役割を通して鎌倉末期という時代を克明に描写する。

【目次】
第一編 早歌の特色 −他作品とのかかわりから−
早歌と秋/『源氏物語』と早歌/能の世界と『源氏物語』−先行歌謡の
早歌との関連から−/早歌から能『隅田川』へ−『伊勢物語』による〈無常〉の継承−/早歌にうたわれた夕日/早歌の旅の表現−『伊勢物語』と『源氏物語』の影−/早歌と名所/早歌の旅の曲における歌枕の様相/早歌「船」の作詞法をめぐって/早歌と道行−菅原道真の旅を中心に−/中世歌謡と〈修行の道行〉−早歌を中心として−/〈古典文学と仏教〉歌謡−中世世俗歌謡の早歌を中心に−/中世歌謡にみる愛/中世歌謡の流れ−早歌能謡時代をめぐって−/冷泉家蔵本『早歌抜書』の研究−早歌の部分謡集として−/歌謡の言葉−早歌における〈本説〉の意義−

第二編 早歌の変遷 −撰集の歩みを追って−
早歌における物尽しの原点−藤三品作詞の三曲をめぐって−/早歌「顕物」の構造について/「楽府」の方法−早歌と白氏文集−/早歌「十六」について−『宴曲抄』における徳物の成立−/早歌「道」について/早歌の展開と『真曲抄』−「薫物」を例として−/早歌にうたわれた雨−『真曲抄』「雨」を中心に−/早歌「隠徳」の成立をめぐって−明空の歩みと究百集−/早歌「長恨歌」の曲趣について/早歌「金谷思」の作詞をめぐって/早歌「恋朋哀傷」について−無常から哀傷への軌跡−/早歌「霜」における自然/早歌『撰要両曲巻』「続撰集」の研究−明空最晩年の作詞の傾向−/早歌『撰要両曲巻』「続撰集」の研究−比企助員の仕事をめぐって−/時雨にみる早歌の自然/「狂言遊宴の戯れ賛仏乗の因」考−早歌の根底にあるもの−

結語 
早歌と道行文−〈進行性の表現〉に注目して−/早歌における物尽しの展開

索引



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